【一級建築士の住宅検査】戸建て内覧会同行※BAUMPLANNING一級建築士事務所
一級建築士として専門的な住宅(マンション・戸建て)検査(調査)を”20年以上”行ってきている私(baumplanning一級建築事務所代表の榑林)が実施している『戸建て内覧会同行サービス(検査)』をおすすめチェックポイントなどを含め、ご紹介いたします。
後半では、「住宅の内覧会同行検査は必要性なのか?」という疑問に対する、私なりの考え方及び参考情報をお伝えしたいと思います。
●【新築マンション・戸建て】内覧会同行サービス|BAUMPLANNING一級建築士事務所公式HP
※現在、住宅内覧会が多く実施される季節(1月~3月)を迎えており、内覧会同行サービスのご予約・お問い合わせが増えている状況です。
特に週末(土日)は数週間前には予約が埋まってしまうことも。日程には余裕をもって、お問い合わせは早めを心がけていただければと思います。
目次
- 1 戸建て内覧会同行サービスの内容
- 2 一戸建て(建売住宅)の内覧会同行検査は必要なのか?!
- 2.1 戸建・マンション共に一定割合で施工不良物件が存在しているという事実。
- 2.2 内覧会同行サービスの必要性!住宅チェックシートがあっても、「基準」を知らなければ意味がないのです。
- 2.3 内覧会後、大半の不具合要素に関する瑕疵期間は「2年」なんです。
- 2.4 日本は地震国。繰り返される「揺れ」が住宅不具合を拡大させていくのです。
- 2.5 一般の方では、チェックシートがあっても「グレーゾーンの不具合」の判断が出来ないのです。
- 2.6 一戸建て(建売)の内覧会に向けて、何かしらの”不安”があるなら、内覧会同行検査の活用が有効に!
- 2.7 ”内覧会同行検査”を依頼することのデメリットとは?
- 2.8 ”内覧会同行検査”を依頼することのメリットとは?!
- 2.9 併せて読みたい「内覧会同行」関連情報
戸建て内覧会同行サービスの内容
「戸建て内覧会同行サービス」というのは、新築住宅を購入したとき、”引き渡し前”に行われる「内覧会」に同行させていただき、施工不良や不具合などの有無をチェック・調査を実施。
施工不良・不具合などが見つかったときには、施工担当者(販売側)にその内容を伝達。状況によっては、その場で”修繕方法など”の方針を提示・調整させていただくサービス(業務)となっています。
内覧会同行サービスの必要性(求められる背景)
※上図:スマイルダイヤル(公益財団法人)
上記は日本全国からの住宅(新築住宅、住宅リフォーム)トラブルの相談を一手に受けている公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(スマイルダイヤル)の「相談件数推移」データです。
科学技術の発展に伴い施工技術促進、建材開発促進がなされている状況を考えれば、「高品質の住宅が提供されるようになっている」と多くの方が思われるのではないでしょうか。
確かに昔と比較して「高品質な住宅」の割合は増加しているのですが、同時に「低品質な住宅・欠陥住宅」「施工不良の目立つ住宅」も増加しているのです。
そんな実態を示しているのが上記グラフです。
「2016年以降」一気に新築住宅トラブルの相談件数が約二倍に跳ね上がっています。
近年「レオパレス21」「大和ハウス」など大手企業の意図的な不正(欠陥住宅、違法建築)なども明るみとなり、多くの方が知るに至りましたが、これらは、あくまでも氷山の一角。
引き渡しを受けて、住まい始めてから数年経過したころから、住宅不具合が表面化し、ようやくその時点でトラブルが顕在化することに。
そんな被害を受けないためには、最低限「内覧会にて、専門的な住宅調査・検査(インスペクション)を行うこと」が必須と考えられるようになってきているのです。
戸建住宅の内覧会同行チェックの検査対象要素について
戸建て住宅の場合は、「土地」「建物」すべてが購入者の所有物となります。ゆえに、「外構」「建物」のすべてが検査対象となります。
*目視にて確認できる範囲(外装・室内・外構)が検査対象となります。
検査時間(目安)に関して
戸建て住宅の内覧会は、”マンション”以上に、販売主・施工者によって、対応が大きく異なります。
売り主側の内覧会立会い者に関しては、「施工担当者のみ」「施工担当者+不動産担当者」「不動産担当者のみ」「施工担当者+不動産担当者+売り主」といったケースがあります。
多くの場合が「施工担当者のみ」「施工担当者+不動産担当者」のいずれかとなります。基本的に、”施工担当者”が立ち会っていることが大切。「不動産担当者のみ」といったケースは、要注意となります。
戸建て内覧会の場合は、”お決まりの内覧会の流れ”といったものは無く、予定時間に現地に集合したら即、住宅内の内覧を開始することとなります。
ポイントは、『住宅の使い方説明(トリセツ)』の有無。
原則的には、住宅の取り扱い説明(トリセツ)は必須要素なのですが・・戸建て(建売)内覧会においては、トリセツが無いまま、購入者が自由に住宅内部の確認を行うといったケースが存在しています。(40%程度の確率でしょうか。)
あくまでもマンションとの比較ではありますが、戸建て住宅のほうが、重大な不具合が存在する確率が高いのにも関わらず、”住宅の取り扱い説明も無い”ケースでは、正直、「専門家による立会い検査は必須」となるものと思います。
内覧会状況に多様性がありますので、検査時間もかなりケースバイケースに。
内覧会同行検査時間の実情としては、「検査~指摘事項の伝達まで」を含めて、『2時間~3.5時間』となっています。(※通常は2.5時間程度)
主な「チェック要素」に関して
基本的に、”住戸内の機能性欠如&不具合(施工不良)”に繋がるすべての要素をチェック対象要素としていますが、主要なチェック項目が下記となります。
まず、”マンションの検査項目”と同じ要素が
- 住戸内の壁・床の歪&施工精度(レーザー計測)
- 各種住戸内仕上げ(壁、床、天井、その他)の施工状況
- 換気設備(給気口、排気口、換気ファン、ダクトなど)の機能性
- 給水・排水設備(浴室、洗面台、キッチン、トイレ)の機能性
- 給湯設備(給湯器、エコジョーズなど)の機能性
- 各種建具(玄関ドア、室内扉、収納扉、窓)の機能性
- 床・壁・天井の下地(各種ボードなど)施工状況
- バルコニーの施工状況
- 電気設備の機能性
上記です。
”戸建て住宅”の場合は、上記要素に加えて、下記項目が主の検査要素となります。
- 基礎の施工状況
- 外壁の施工状況
- 外構の施工状況
- 床下(点検口がある場合、目視確認できる範囲のみ)の施工状況。
ちなみに、「屋根裏」に関しては、点検口があった場合でも、検査の効果が薄い(工事期間中に検査をすべき要素のため)ことから、当方では、検査対象外としております。
ただし、点検口から目視にて確認できる範囲はチェックさせていただきます。
びっくりされるかもしれませんが、「建売住宅はきちんと作られている」というのは、幻想です。
もちろん、丁寧に作られている物件が多く存在しているのですが、反面「一定確率」で”設備配管が未接続(施工不良)”などの施工不良が存在したまま、内覧会が行われている物件が存在するのが実情なのです。
ゆえに、目視できない部位に対しても想像力を持って、不具合の有無のチェックにあたっています。
内覧会同行チェック・サービスの対応エリア
当事務所にて、「戸建て内覧会同行サービス(検査)」の対応エリアは下記となっています。
*東京都・神奈川県・埼玉県(一部を除く)・千葉県(東京隣接エリアのみ)
戸建住宅内覧会同行チェック・サービスの費用
当事務所にて行っている「 戸建て内覧会同行サービス(検査) 」の費用は下記となります。
尚、下記金額には、「検査費用」「交通費」「消費税」「諸経費」のすべてが含まれており、特別な場合(追加交通費)を除いて、表記外の費用がかかることはありません。
*¥59,400円(消費税込み)/100㎡未満の住宅
*¥64,900円(消費税込み)/100㎡以上~120㎡未満の住戸
*120㎡以上の場合は、要相談。(個別に料金査定いたします。)
内覧会同行サービスのお申込みの流れ
1.ご相談(日程の確認など)
ご相談・お問い合わせはお問い合わせフォーム、もしくはお電話まで。「日程の空き状況」など気軽にご相談いただければと思います。
尚、メール送信後「二日以内」に返信が届かないときは、「メールが未達の可能性」があります。 「info@baumplanning.com」のメール受信ができますように、端末のセキュリティー設定(携帯メール設定)を変更の上、再度お問い合わせいただけますと幸いです。
●お問い合わせフォームはコチラ2.内覧会同行サービスのお申込み
内覧会同行サービスのお申込みは、”電話”及び”メール”にて受け付けております。「日程に空き」があることが確認できましたら、引き続き、内覧会概要(お名前、日時、新居の住所、連絡用電話番号)をメールにて、送付いだたければと思います。3.今後の段取りをメールにてご連絡
ご依頼をいただきました後、当方よりメールにて、「今後の段取りに関する詳細」を送信させていただきます。 「必要資料」「費用のお振込み先」などを記しております。4.費用のお振込み:予約受付。
既定の”費用”を指定口座へお振込み下さい。入金が確認できました段階で「予約」とさせていただきます。5.必要資料(図面など)の送付
指定日までに、「必要資料」をメール添付・FAXなどにて、お送り下さい。6.内覧会当日、現地(内覧会受付周辺・住宅前)にて待ち合わせ。
内覧会同日、「住宅前」にて待ち合わせさせていただきます。7.内覧会同行検査の開始。
物件によって、多少、段取りは異なりますが、対象「住宅」内にて、まずは「検査ポイント」などを簡単にご説明させていただきます。説明終了後、引き続き検査を進めさせていただきます。8.内覧会検査終了
住戸内での検査チェックが済みましたら、受付会場にて”売主側”と修繕内容に関しての 確認を行います。
それが完了した時点で「内覧会同行検査業務は完了」。その場での解散となります。
尚、新築戸建住宅の内覧会同行検査の場合には、検査後2日以内に「議事録目的の検査報告書」をメールにて添付・送付させていただきます。この時点で内覧会同行検査業務は完了となります。9.アフターフォロー
後日、再内覧会にて修繕がなされたことの確認をお客様にて推進していただくことになります。
再内覧会時やその後入居してからなど、何か簡単なご質問など でしたら、電話及びeメールにてご連絡いただければ、答えられる範囲で質疑対応させていただ きます。(基本的には作業などの発生しない範囲での、質疑応答とさせていただいています。)
検査担当者について
当事務所にて、戸建て内覧会同行サービスは、すべて事務所代表の私、榑林(プロフィール)が行っております。
住宅完成検査は、目に見えない部分の不具合・施工ミスをいかにして感じ取ることができるかが大きな技能ポイントとなるものです。
それゆえに、検査業務だけでなく、実際に「住宅設計(木造住宅、RC造マンションなど)」を行っている(経験を有ている)かどうかが、検査技能として大きな違いとして表れてきます。
私は「大規模マンション(RC造、鉄骨造)」から「木造戸建て住宅(在来工法、2×4工法など)」は、もちろんのこと「ログハウス」の設計実績も有しています。
様々な住宅設計ができる技能・知識と実際の経験を兼ね備えていることが、視認できない場所の不具合などを感じ取れることにつながっているものと思っています。
「日程の空状況」のお問合せ&サービスのお申込み
戸建て住宅の内覧会は、「土日」に集中。季節的にも「10月・11月」「1月~3月」などにはお申込みが増える傾向があります。
それゆえに、”開始時間”が未定の状況であったとしても、まずは「日程の空状況」だけでもお早めにお問合せ・ご確認いただければと思います。
当該サービス(内覧会同行)に関するお問い合わせ&お申込みは、下記メールフォーム、もしくは電話にてご連絡いただければと思います。
*お問い合わせ用電話番号:044-953-6857
・平日:9:00~20:00、土日祝:9:00~17:00
内覧会同行サービスをご利用いただいた方からのメッセージ。
一戸建ての内覧会同行検査をご利用の方から、毎回メッセージを頂き、いつも励みにしております。最近、サービスをご利用いただいた方からの一部メッセージをご紹介させていただきます。
東京都 K様
今日は朝早くからお越しいただき,また検査結果も早々に送付いただき,ありがとうございました。
おかげさまで安心して入居を迎えられそうです。
検査をお願いして本当に良かったです。家内も大変感謝しています。
専門の立場からの検査だけでなく,二人では気付かないであろう瑕疵もご指摘いただき,助かりました。
また,エアコンの取付工事に対するアドバイス等も参考になりました。また,何かありましたらご相談したいと思いますのて,よろしく お願いいたします。
東京都 S様
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。ご丁寧なご対応と、とてもわかりやすいご説明をいただけたこと、大変感謝しております。
また、早速ご報告書をいただきましてありがとうございます。大きな不備もなく、またご丁寧にご説明いただいたことで、とても安心しました。
本当にありがとうございました。また、何かありましたらご連絡させてください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
東京都 K様
昨日はお世話になり、ありがとうございました。
知識もなく必死に進めて参りました新築ですが、やっとここまできました。
この度主人も私も、榑林様に内覧会検査同行を依頼出来て、本当に良かったと感じております。
議事録にあります様々な内容は、私達素人にわかるはずもなく、また構造上の問題など無いと言って頂けました事が、安心して暮らせるという安堵感と、施工会社の皆様に改めて感謝致しました。
未着工の外構工事や、修繕が無事に済む事を願うばかりです。
埼玉県 K様
今日は大変お世話になり、本当にありがとうございました。また、早々に報告書を頂き、重ねてお礼申し上げます。
写真までつけて頂いて、今後にも参考になり、ありがたく思います。あの後も無事に家の傷や汚れにつきましては、施工会社の方にお伝えする事が出来ました。
内部の構造については、私たちには分からないので、どうしても表面が雑に感じると、中もそうなのではと不安になってしまうので、榑林さんにチェックして頂き、大丈夫とおっしゃって頂けて安心出来ました。
夫と、私たちに余裕があれば榑林さんに家を建てて頂きたかったねと話していました。
今後もしまたお世話になる事があれば、どうぞよろしくお願いいたします。今回は本当にありがとうございました。
SNS上にて、「第三者(建築士など)による一戸建て・マンションの内覧会同行検査は必要なの??」という質問・疑問を見かけることがあります。
そんな”問い”に関して、実際に内覧会同行検査を行っているもの(一級建築士)として、私なりの考え方及び参考となる情報をご紹介してみたいと思います。
一戸建て(建売住宅)の内覧会同行検査は必要なのか?!
最初に、結論をお話させていただきますと・・。
- 住宅の寿命が短くなっても、あまり気にならない(買い替えればよい)
- 住宅の不具合・傷みが生じたらお金をかけて補修すれば良い
と考えているのであれば、「内覧会同行サービス」を活用する必要はないのかもしれません。
「お金で解決(修繕費用)できるのならOK」
と思える方は、あまり内覧会時の住宅不具合の有無を気にしなくても良いのかな・・と思います。
でも
- 将来、少しでも「住宅補修」に余分な費用をかけたくない。
- 少しでも、長く、そして心地よくこの住宅を活用したい。
と思うのであれば、「内覧会時の不具合有無をしっかり確認しておくこと」はとても大切な要素となります。
「必要があるのか無いのか」「サービスの効果があるのか無いのか」は、あなたの考え方が上記のどちらなのか?!によって、変わるんですね。
前者のような考え方を持っているのであれば、内覧会同行サービスは、「必要なものとはならない」でしょうし、「効果もあまり感じられない」可能性があります。
しかし、後者の考え方を持っている方であれば、「必要なサービス」となる可能性が高く、「効果も十分感じられるサービス」となるものと思います。
「内覧会同行サービス」に関しては、「住宅に対する価値観」及び「住宅の補修・修繕に対する考え方」が重要なポイントとなります。
戸建・マンション共に一定割合で施工不良物件が存在しているという事実。
話を読み進めていただく前に、ひとつだけ、認識しておいていただきたいことがあります。
これは、建築士として、建物の作り手側にて数多くの案件に携わってきたからこそ、言えることなのですが・・。
デベロッパー・施工会社の規模に関わらず。
戸建住宅・マンション共に少なくとも一定割合にて、施工不良物件が必ず存在しているということ
です。
下記記事などでも紹介されているように
●東京都下の某タワーマンションを襲った「手抜き工事」の悲劇~それでもマンションを買いますか?
大手デヘロッパー&施工会社による大型マンションでさえも、”手抜き工事”といえる施工不良物件がいまだに存在・作られてしまっているのです。
一般の方は、あまり話題とならないことから、このような実態があることを知らないだけのこと。
何故、話題とならなの・・不思議に思うかもしれませんが
施行者やデヘロッパーが情報を公にしないのは当然のことながら
さらに、施工不良物件を掴まされてしまった住人・買い主の大半が「マンションの不動産価値の低下」を恐れて、施工不良の実態を公にしないという実態があるのです。
ですから、なかなか施工不良物件の存在が社会的に公とはならないんですね。
先日の「レオパレスの問題」を見てもわかるように、いまだに「意図的な不正(施工不良、性能基準を満たさない住宅)」も存在しているのです。
- 意図的な不正
- 手抜き工事
- 人的なミスの重なりによる施工不良
は、絶えることなく、今後も必ず、存在し続けるもの。
あなたは、「住宅の機能性チェック」をせずに、住宅購入してしまうなんて・・・考えられますか?
こんな要素を念頭にした上で、話を読み進めていただければと思います。
内覧会同行サービスの必要性!住宅チェックシートがあっても、「基準」を知らなければ意味がないのです。
WEB上なので、内覧会時に活用できる「住宅チェックシート」といったものが存在しています。
「チェックすべき項目・要素」がずら~と記されているものです。
一見、チェックシートがあれば、内覧会時のチェックが自分で行えると思いますよね?
でも、正直に言うと、出回っているすべてのチェックシートは「専門家用」であって、一般の方が使えるものではないのです。
何故かわかりますか?
それは、チェックすべき項目がわかったところで、各項目の「良しあし」「適不適」を判断するための基準を知らないからなのです。
建築に関する不具合を確認する上で、とても大切となるのが「基準(性能・機能)」です。
基準と照らし合わせて、条件を満たしていなかった場合にのみ、「修繕」を求めることが出来るんですね。
見た目・感覚的に補修してほしいと思った要素だったとしても、「基準」を逸脱していなければ補修対象とはならないのです。
で・・・その基準というのは
- 建築基準法
- 消防法
- 品確法
など
様々な法規に記されている要素が「基準」となるのです。
一般の方は、上記のような法規内容など知らないですよね!
知らなければ、住宅の機能的なチェックは出来ないのです。基準に対して、適しているか不適切かを判断する必要があるのに・・基準を知らなければ、話にはならないわけです。
私のような建築士(専門家)というは、上記のような基準(法規)をしっかり知識として、認識している人のこと。
ゆえに、「汚れ」「キズ」「物の有無」は一般の方でチェック判断出来ますが。「機能・性能的なチェック」は、専門家(建築士)でなければ、残念ながら出来ないのです。
内覧会同行サービスが必要か不必要か?は別の言い方をすると
※「機能・性能的なチェック」を必要とするか、それとも不必要と考えるか
ということ。
単純なことなんですよね。「機能・性能的なチェックは必要ない」と考えるのであれば、内覧会同行サービスを活用する必要は無いということとなるわけです。
わかりやすいですよね。
内覧会後、大半の不具合要素に関する瑕疵期間は「2年」なんです。
「漏水・雨漏り」といった、住宅機能を大きく損なう不具合は、「瑕疵期間 10年」と設定されています。
住宅購入する時に、「瑕疵期間10年の安心保証」などと言われると、それだけで、安心してしまう方も少なくないのではないでしょうかね。
でも・・。現実は、甘くは無いのです。
- フローリングの軋みや浮き・剥がれ
- 壁下地の浮き(下地不良)
- 床下地の施工不良(たわみ・傾斜など)
- 床タイル(石)の浮き・剥がれ
- 基礎の仕上げモルタルの浮き・剥がれ
- 排水不良(汚水・雨水)
- 壁内結露(エアコン関連)の発生
など、将来(住宅購入後、住まい始めてから)生じる住宅トラブルの大半が「10年保証の対象外」なんです。
基本的に、上記のような要素は「瑕疵期間2年」しかないのです。
しかも、上記のようなトラブルが表面化してくるのは(トラブルに気が付くのが)、大半が「築3年以降(築5年前後)」なのです。
「2年保証」なんて・・ほとんど役に立たないのが実情です。
結局、住宅トラブルの大半が「自己責任にて、自腹で補修しなければいけなくなる」ことに。
「フローリングの張替え・修繕」をするにしても、『10万円~25万円/1部屋』の費用がかかりますからね。
後々の補修費用負担を減らすためにも、「内覧会時の不具合是正」はしっかりとやっておきたい要素なのです。
日本は地震国。繰り返される「揺れ」が住宅不具合を拡大させていくのです。
まず、認識しておいていただきたいのが、原則としては「内覧会時に見つかった不具合(と考えられる要素)」の中で、補修対象となるのは「法的基準を満たしていない要素」のみとなります。
住宅の性能基準を示す法規制などは、複数存在(建築基準法、消防法、品確法など)しており、それらに示されている性能基準を満たしていない要素(不具合)が補修対象となるわけです。
ただ、実際には
法的基準は満たしているのだけれども、「利用上不具合と考えられる要素」「今後、不具合が拡大していく可能性のある要素」といった、いわゆる「グレーゾーン」の不具合というのが、存在しているんですね。
で・・・現実的には、この「グレーゾーンの不具合」が多く存在しているのです。
日本において、「グレーゾーンの不具合」は、本当は早期に是正しておくべき要素と言えるものなのです。
それは、日本は地震国と呼ばれるほど、日々地震が多数発生しています。
「地震の揺れ」が繰り返し住宅に加わる状況となっており、これが「グレーゾーンの不具合」を着実に拡大させていく要因となっているのです。
「地震の揺れ」によって、「グレーゾーンの不具合」は、高確率で本格的な不具合となるのです。
一般の方では、チェックシートがあっても「グレーゾーンの不具合」の判断が出来ないのです。
ここで、2つの大きな問題に遭遇するわけですね。
1)そもそも「グレーゾーンの不具合」は、内覧会時にて法的には、是正しなければいけない要素とならないということ。
2)一般の方では、そもそも「各種法規制内容」を知らないので、「グレーゾーンの不具合」を判断することが出来ない。
この2つの壁が存在することとなります。
まず「1」に関してですが
原則的には、現状「各種性能基準を満たしている」状況なら、施工者は、是正する必要はないのです。
ですから、ここで重要となるのが「施工者との交渉」となります。
「将来的なことを考えると、内覧会時に修繕しておいたほうが良い要素(不具合)であること」を施工者に納得してもらえるように、話をする(交渉)必要があるわけです。
そのためには
- 具体的な数値で示す(勾配などの数値)
- どのような形で不具合となる可能性があるのかの根拠を示す
- どんな方法でどのように是正することを望むのかを示す
「グレーゾーンの不具合」を修繕してもらうためには、最低限上記要素を先方(施工主・販売主)に伝える必要があります。
- 使いにくいから
- 私は不具合だと感じる
などという感覚的な言葉は通用しません。「性能基準は満たしていますので、補修対象とはなりません」の一言で、かたずけられてしまいます。
ゆえに、グレーゾーンの不具合を是正してもらうためには、どうしても、「専門的な知識と経験」が必要不可欠な要素となります。
ここで冒頭の話に繋がるわけですが。
「グレーゾーンの不具合は、そのままでいい。将来、不具合が表面化した時に、その都度費用(数十万円)をかけて、修繕していけば良い」
と思える方は、グレーゾーンの不具合を見つける必要はありませんし、施工者との交渉も必要ありませんので、「内覧会同行サービス」も不要となるものと思います。
対して
「将来、不具合が生じるたびに補修費用(数十万円)を費やしていくのは嫌」
という方は、グレーゾーンの不具合をしっかりと内覧会時に是正しておきたいものですよね。
一戸建て(建売)の内覧会に向けて、何かしらの”不安”があるなら、内覧会同行検査の活用が有効に!
この後に、「内覧会同行検査のメリットとデメリット」となる要素をお話したいと思いますが。案外、もっと単純に考えてみた方がいいものです。
それが・・。
というのも・・。「不安を払しょくする」ことに対しては、
●内覧会同行サービスを活用することによる「効果」はかならず期待できる
からです。
「どの業者に頼むか」「誰に頼むか」によって、サービスの”効果”には、差が存在はしますが、かならず、サービス活用による何かしらの効果は得られるものです。
時折、ネット上で
・施工担当者に聞いたら、「当社は、品質第一の施工を心がけていますので、内覧会同行は必要ない」と言われた。
などのコメントをみかけることがありますが、前者の場合は、まったく「住宅を建てること(施工)」の実情を理解していない人が言っている言葉。
後者の場合は、「検査を受ける側」としては、単なる普通の反応です。できれば、検査を受けたくはないから(調査を受けるのが面倒という気持ちもあるので)。建売住宅業者の場合は、このような反応をするところも、まだまだ多いものです。
大手デヘロッパー&大手仲介業者が携わっている新築マンションなどでは、今は逆に「第三者による内覧会同行サービスを歓迎している」ところも多くなっています。
自分たちの仕事に、誇りと自信を持っているからこそ、積極的に「調査(内覧会同行)」を受け入れる姿勢を示すことができているのだと思います。
というのも、良心的な施工業者ほど、「ケアレスミスは必ず存在しているもの」という意識をもって、仕事を行っているから。
貴方は「信頼できる施工業者が施工している物件なら、施工不良・不具合は無い」と思いますか?
違いますよね。
施工業者の質によって、「不具合の存在頻度」は変わりますが、そもそも「施工不良のほとんどが、人のケアレスミスによるもの」です。
近年。大手デヘロッパー&ゼネコンが手掛けた物件(高級マンション)にて、相次いで大きな施工不良・施工ミス(建物の立て直しとなりました。)が発覚。社会的なニュースともなったことは、ご記憶にあるものと思います。
大手デヘロッパー&ゼネコンは、まさに「信頼できる業者」ですよね。
信頼できる業者であろうがなかろうか、「施工不良・施工ミスは一定割合で存在している」ものなのです。
そんな”人のケアレスミスによる施工不良”って、携わった本人は、なかなか気が付かなかったりするものなんですよね。ゆえに、内覧会時に「第三者の視点でチェックする」ことがとても重要な要素となるのです。
内覧会同行サービスを活用しないにしても、購入者自身でしっかりと表面的なキズ・汚れだけでなく、住宅の「機能性」の確認及び「施工不良・不具合の有無」を本格的にチェックしておく必要があるのです。
実際、私が多くの内覧会同行サービスを行ってきた中、見つけてきた代表的な「不具合」「施工ミス」に関して、それぞれ下記記事内にて、ご紹介したいますので、そちらもご参考にしていただければと思います。
また、全国各地から寄せられている「住宅トラブルの相談事例」などをこちらの記事「内覧会同行(建築士)が必要とされる理由?!住宅トラブル事例など」にて記していますので、併せてご参照いだたければと思います。
”内覧会同行検査”を依頼することのデメリットとは?
これは、本来”デメリット”なわけではありませんが・・。
- 費用がかかること。
がひとつのポイントとなります。
最初にお話したように、「自分の意志でサービスの活用を決めた」場合には、結果として、満足のいく形となりやすいので、”費用負担”がデメリットとなることはありません。
ただ、「なんとなく、内覧会同行を依頼した」といった形だと、サービスに対する満足を得ることが出来ずに、”費用負担”がデメリットと感じられてしまいます。
二つ目のデメリットとなりうる要素が・・。
- 検査員(インスペクター)の能力に大きな差が存在している。
ということです。
将来的には、建築士や施工技能士の資格を有していなければ、内覧会同行検査が行えなくなる・・・そんな方向で法的整備が進んでいくのではないかと思っていますが・・。
現時点では、「技能的な資格が無くても、だれでも内覧会同行検査が行える」といった状況なのです。
建築士や施工技能士の資格を持っている人もいれば、何の資格も持っていない人も、内覧会同行検査員として存在しているということ。
さらに、建築士などの資格を有しているものであったとしても、「検査能力に大きな差が存在している」のが実情です。
本質的には
*施工技能士として、木造住宅及びマンションの建設を手掛けた経験がある。
ことによって、内覧会時に本当の意味での技術的な検査が可能となるものなんですね。
考えてみていただければと、わかってもらえるものと思いますが・・。設計経験も無い、施工経験も無い人が、本質的な住宅の不具合を見つけたり、不具合の適切な是正方法を示唆したりすることは、出来ないはずなんです。
近年、「内覧会同行検査(住宅インスペクション)を主とした、企業」が多数誕生してきていますが、それらの企業に依頼をした場合、”どんな検査員が来るのかわからない(検査員の指名はできませんので)”のが実情。
私のような一級建築士(個人の建築士事務所)が行っている、内覧会同行検査の場合は、「検査員が誰か」が明確になっていますので、その場合は「木造住宅・マンションの設計経験の有無」などを問合せ・確認されるといいかと思います。
デメリットの解消に繋がりますので。
”内覧会同行検査”を依頼することのメリットとは?!
根幹的な「内覧会同行検査を依頼することによるメリット」となるのが
- 住宅の機能的な不具合(施工不良)を指摘すること。
となります。
”キズや汚れ”といった要素は、本質的な検査対象ではなく、住宅機能に関する不具合(将来的に機能的な不具合へ繋がる可能性がある要素なども含む。)の存在を見出し、指摘することが本質的な検査要素となります。
まあ、「不具合を見つけること」が主要な要素ではあるのですが・・・、実は私が本当に第三者(一級建築士など)の内覧会同行検査を活用することの一番のメリットと考えているのが
- 施工者と不具合の是正について折衝を代理してくれること。
- 不具合の修繕方法の適正を判断、具体的な修繕方法の提案などが出来ること。
この2点なのです。
実際に、内覧会時に見つかる”不具合要素”は、法基準的にはグレーゾーンのものが多いものなんでよすね。「法基準には、抵触していないんだけれども、住宅の機能的には、致命傷となっていく」といった要素も少なくないのです。
そのような、不具合要素を施工者に修繕してもらうためには、きちんとした、裏付けといいますか、「何がどの様に、機能的な問題となっているのか」などを説明しながら、交渉していく必要が生じるのです。
これは、知識・経験の無い一般の方には、出来ないことなんですね。
さらに、これは印象的な要素なのですが・・。
出来れば、今後も付き合っていく可能性のある”施工者、ディベロッパー”に対して、あまり強くは折衝がしにくい(悪い印象を与えたくないし、交渉トラブルを生じさせるのも、気持ち的に嫌だから)といった状況も案外、多く存在しているものです。
そんな時に、「第三者(一級建築士など)が折衝をしてくれる」ことが、上記のような不安を生じさせなくて済むわけです。これも、実際に内覧会同行検査を依頼してくれた方の多くが”依頼して良かった”と思っていただいた要素のひとつとなっています。
また、2つ目の要素に挙げている、「不具合修繕方法の適正判断」も大きなメリットと感じていただいています。
一般の方は、正直、「修繕方法」に関しては、施工者の言われるがままとなってしまうものですよね。
でも、そのケースでは
- 修繕したのに、新たなトラブルが生じてしまった。
- 修繕結果が気に入らない(上手く補修されていない)
といった、ことが結構あるんですよね。SNS上でも、住宅購入に関して、このような不満に関する話が沢山存在していたりしますから。
このようなトラブルを無くすために、第三者による内覧会同行検査が効果的なものとなっています。
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