戸建住宅(建売住宅)の内覧会時に見つかる不具合事例! | 家のトリセツ|建築士が語る”住宅の適切な使い方&メンテナンス”情報。

戸建住宅(建売住宅)の内覧会時に見つかる不具合事例!

住宅購入時の知恵情報, 内覧会同行

戸建て住宅

”マンション”の場合は、”戸建て住宅”と比較して、施工規模が大きいことから、ディベロッパー・施工業者も一定の企業規模を有しているものです。

単純に”企業規模”と”施工技能”が比例しているわけではありませんので、小規模企業(販売主・施工業者)の物件の方が、大規模企業の物件よりも、品質的に劣るということはありませんが・・。

「住宅の施工管理体制(品質管理体制)」には、違いが存在していると言えます。

もちろん、例外は存在していますが、確率的には、”マンション”の方が”戸建て住宅(建売)”と比較した場合、施工管理体制(品質管理体制)がしっかりとしている傾向があるのです。

その結果として、”マンション”よりも”戸建て住宅(建売住宅)”の方が、内覧会時の検査にて、不具合・施工不良が発見される確率が高いものとなっています。

建売住宅(一戸建て)の内覧会時に見つかる不具合(施工不良)事例。

「施工管理体制の良し悪し」が最も良く表れるのが、『未済工事の有無』なんですね。

本来は、当たり前のことなのですが・・住宅購入者に内覧をしてもらう時には、すべての工事が完了(建物が完成)した状態で行うべきことなのです。(販売主・施工業者には、もっとこの意識を強く持ってもらいたいものと思っています。)

ただ、天候的な要因(台風・雨・降雪など)にて、「外構工事の一部(仕上げ・植栽など)」が未済(まだ、施工が終わっていない状態)の状態にて、内覧会が行われることに関しては、多少、仕方がないと思われるケースが存在しています。

そんなケースを除けば、原則、住宅の内覧会は、工事が完成した状態にて行われるべきもの。施工管理体制の良い物件(住宅)は、かならず、すべての工事が完成した状態(例外を除いて)で内覧会が行われているものです。

逆に言えば、”未済工事が残っている状態(オブションや追加工事などの要素は除く)”で内覧会が行われるような物件では、施工管理体制が良くないことの証と考えられるのです。

この点において、経験的に言うと”マンション”の場合は、9割程度の物件で完成状態での内覧会が行われるている状況。”戸建て住宅(建売住宅)”の場合は、完成状態で内覧会が行われるのは、6割程度といった感じです。

戸建て住宅の場合は、4割程度の物件で未済工事が残った状態(工事が完全に終わっていない)で内覧会が行われているんですね。

ゆえに、戸建て住宅(建売住宅)の方が、施工管理体制が劣っている傾向があり、その結果として、不具合・施工不良が発見される数・確率共に多い(マンションとの比較において)のです。

実際、「新築建売住宅の購入に関する住宅トラブル」は、年々右肩上がりで増加しています。(こちらの記事:住宅トラブルの増加&効果的な内覧会同行サービス をご参照ください。)

ですから、内覧会を単なる”見学会”としてしまってはダメなんですよ。しっかりと、不具合・施工不良のチェックをする貴重な機会と捉えていただければと思います。

*戸建て住宅(建売住宅)の方が、マンションよりも、不具合・施工不良が存在している可能性が高い傾向があります。

そこで、私が、実際に内覧会同行検査を行ってきた経験の中で、一定頻度で見出すことが出来ている不具合・施工不良の事例を紹介してみたいと思います。

基本的に「キズ・汚れ」といった要素は、多かれ少なかれ、かならず存在しているもの。キズが多かったからといって、住宅の機能性が劣っているというわけではありませんので、”キズ・汚れ”に関連した要素は、事例から省かせていただきます。

実際には、多様な不具合・施工不良要素が存在してるもの。ここでは、住宅の機能性に大きく関わる要素を抜粋する形でご紹介させていただきます。

 給水管・配水管の接続不良(水漏れなど)

給水管・配水管の接続

存在頻度は、高くはありませんが、それでも一定割合で存在している不具合要素のひとつが「給水管・配水管の接続不良」です。

「床下配管」だけでなく、「洗面化粧台下部」「キッチンシンク下」の給水管・配水管が対象となります。

”まさか・・”と思うかもしれませんが、「配管自体が接続されていない(必要な配管が無い)」といったことも、数回ありましたからね。ケアレスミスにも程がありますよね。(でも、そういう信じられないようなミスがあるのも事実なんです。)

天井・壁の貫通部処理が不適切。(防火区画など)

区画貫通部の処理

主に、近年増加傾向にある、「木造三階建て住宅」が対象となります。

”木造二階建て住宅”と”木造三階建て住宅”では、外観たけでなく、法規制上に大きな違いが存在しているんですね。専門的な話となりますので、詳細は省きますが、木造三階建て住宅では、”防火区画・防火性能”が重要な要素となっています。

そんな”防火区画など”を必要とする天井・壁・梁などに対して、電気配線や各種配管(ダクト、給水・排水管)を貫通させる時には、適切な区画貫通部の防火処理が必要となるのです。

戸建て住宅において、現場の職人さんや施工管理者(現場監督)にて、あまり法規制などの知識を有していない人も少なくないんですね。

結果として、不適切な状態で天井・壁などの貫通をしてしまっている(適切な貫通処理が行われていない)ことがあるのです。

換気・空調設備の不具合(主に浴室換気・乾燥機)

浴室換気・乾燥機の不具合

近年、ほとんどの戸建て住宅にて、設置されるようになっているのが「浴室換気・乾燥機」です。ユニットバスが主流となるとともに、ユニットバスの天井裏に設置されるようになりました。

この浴室換気・乾燥機の機能上の不具合及び施工上の不具合(ダクトからのエアー漏れなど)が存在することがあります。

壁材&下地材の施工不良(不陸、下地の接続不良など)

壁の施工不良

一定割合で存在する不具合要素のひとつとなるのが「壁材&下地材の施工不良」です。

現代住宅では、壁材として「石膏ボード(プラスターボード)」が多く使用される他、「合板(ベニア板)」が使用される状況もあります。

これらの壁材がきちんと垂直に施工されていなかったり、歪み(不陸)んが存在しているケースがあるんですね。

また、壁材(プラスターボード)と下地材(LGS、木材)が適切に接続されていないような状況も存在しています。”内装壁材の施工不良”は、耐震性能にも大きく影響を与える要素となるもの。

住宅機能上、重要な不具合要素となります。

壁材・下地材の不具合に伴って、「壁と建具枠や天井との間に隙間が生じている」といった状況もあります。

後ほど「フローリングの不具合」の項目でも、語っていますが、地震が多い関東周辺では、「壁下地&ボードの施工状態」は、内覧会時にかなりしっかりと確認しておくことが必要です。

地震の揺れが頻繁に繰り返される中、壁下地&ボードの施工状態に歪みや接続不良があると、その度合いが時間経過と共に増大していくこととなります。

そのような不具合拡大は、3年後~8年後あたりに顕在化してくるもの。

その時点では、無償で修繕はしてもらえないのが実情です。経年変化によるもの・・として簡単に片づけられてしまいますので。

そうならないためにも、「壁不陸・接合状態」はしっかりと内覧会時に確認しておくことが必要です。

床(フローリング)の施工不良

床の施工不良

近年、戸建て住宅の居室において、床はフローリング仕様が多くなっています。

しかも、昔は、「無垢材フローリング」「突板複合フローリング」が主流となっていましたが、近年では、マンションに使用されている「シートフローリング」を活用している戸建て住宅も多くなってきました。

フローリングの施工に関して、技術者(職人)の技能差が存在しています。

”丁寧さ”が欠けてしまうと、「フローリングの隙間」「フローリング材と下地との浮き」「床レベルの不具合」といった施工不良が生じることに。

特に「床の勾配(レベル)が基準を逸脱している」という状況(施工ミス)も一定確率で、見つかっています。

ただ、これれらの要素は、”法規制上””機能性上”の問題があるかないかを見極めることが重要な要素となります。「機能的な不良が存在するのかしないのか」を見極める上では、少々素人判断は難しい要素となるかもしれませんね。

専門的な知識と経験を有する人によるチェックが必要となるものと感じています。

実は、この「新築時のフローリングの施工状況」は、後々問題を拡大させやすい重要な要素となります。

地震が頻繁に生じる関東周辺では特に、大きな課題となるんですね。

フローリングが一か所でも、丁寧さを欠く施工となっていると、数年後にそこを基点として「フローリングの浮きが発生」したり、「フローリングの軋み」が強く感じられるようになってきます。

厄介なのは、大抵、そのような”フローリング床の不具合”は、経年変化によるものと言われてしまい、無償で修繕してもらえることは、ほとんど無いんですね。

  • 瑕疵期間があるから
  • 修繕補償期間があるから

と内覧会時に言われても、結局、その後に発生した「フローリングの浮き」などは、無償修理対象とならないケースが多いのが実情なんです。

新築住宅購入後の住宅トラブル相談として「フローリングの不具合」は、年々増加傾向となっています。

「フローリングの不具合・トラブル相談の増加」は、結局「無料での補修」には応じてくれないケースが増えていることの証なんですよね。

現実的に、有料で「フローリングの張り替え」を行わなければいけなくなってしまうケースも増加。その場合、最低(一番安いフローリング材を使用したとしても)でも、「10万円以上/6畳部屋(標準的には、12万円~25万円)」の費用がかかることに。

だったら、最初から「6万円程度」の費用をかけてでも、内覧会同行調査(住宅診断)を活用して、「フローリング施工状態の細かなチェック」をしておいたほうがいいですよね。

特に湿度の高い季節(6月~10月)は、「フローリング床の不具合」が生じやすい時期。この時期に内覧会&引き渡しを行う住宅は、要注意です。

内覧会時に、『フローリングの施工状態・不具合の有無』は、些細なものも含めて、しっかりと確認しておくことが必要なのです。

タイル・石張りの不具合(剥がれ・浮き)

タイルの浮き

タイルの剥がれ

玄関ポーチなどは、タイル張り・石張りとなっているケースが多いものです。

そんなタイル・石の不具合として、「タイルなどの浮き・剥がれ」が度々存在しています。

「タイルの浮き」に関しては、”打診検査(音による不具合の見極め)”が必要となりますが、「タイルの剥がれ」に関しては、だれもが見てわかる要素ですよね。

それなのにも関わらず・・気が付かないまま、放置されている(内覧会を迎える)といったことも度々存在しているのです。ちょっと、不思議に思えるのですが、丁寧な自主検査(施工検査)が行われていないことも少なくないのが、”戸建て住宅(建売)”なんですよね。

外部配管の不具合(配水管・樋)

配管の施工不良

配管の未接続

”なんで、そんな状態で配管が施工されているの??”

と本当に不思議に思うことも、存在しているのが実情なんです。

「配管を施工する職人(業者)」と「仕上げを施工する職人(業者)」が異なっているため、不適切な配管工事がなされている状況にて、仕上げの施工がちゃんと出来ないのがわかっているはずなのに・・・それでも、無理やりそのまま、仕上げの施工をしてまっているのが前者の写真。

後者は、完全に・・配水管が繋がれていません??

何故がこんな状態をそのまま見逃している(忘れている)ような物件が存在しているんですよね。

外部設備機器(給湯器など)の接続不具合

給湯器の施工状況

設備機器の施工状況

施工管理体制(管理能力が低い)が弱い結果、内覧会に”外構工事が間に合わない”というケースが少なくありません。

単に「外構の仕上げ(砂利敷きなど)」「植栽」「フェンスの設置」が未済程度であれば、あまり問題とはならないのですが・・。

外構工事が間に合っていない現場に限って、「外部排水管&設備機器の施工」なども、未済であることが多いものです。

給水管・配水管の接続が完了していなければ、本当の意味で「給水・排水設備の検査」は出来ないもの。このような物件では、後々給水・排水設備のトラブルが生じて来る可能性があることも念頭にしておく必要があります。

基礎部の施工不具合。

基礎施工状況

さすがに、内覧会時点で「基礎の構造」自体に不具合が見つかることは、ほとんどありませんが・・。

”基礎の仕上げ”に不具合が存在していることは、度々あります。

基礎構造体(コンクリート)の表面の仕上げ(モルタルなど)が適切に施工されておらず、「ひび割れ」「浮き」「欠け」が生じていることが。”浮き”は打診検査にて確認する必要があります。

住宅用感知器(煙感知器)の位置不良

住宅用感知器

現在、戸建て住宅においても、「感知器設備」の設置が義務付けられています。

この感知器設備は、消防法によって、設置基準などが定められているのですが・・基準に適していない状態で設置されるていることがあるんですね。(設置位置の不具合)

適切に感知器が稼働するためには、設置位置も重要な要素となるもの。チエック要の要素となります。

その他。(建具の機能不良など)

その他にも、いろいろと確認すべき要素が存在しています。

「玄関扉・内部扉・窓(サッシュ)など建具の機能」も重要なチェック要素のひとつ。必要なビスが設置されていない(ビス忘れ)といったことなどは、良く見かける不具合要素のひとつです。

また

「システムキッチン」が設置されている状宅が多くなっており、システムキッチン全体(排気設備も含む)の機能性・施工状況も確認要の要素となります。

住宅構造上の不具合(レアケース)

内覧会時では、なかなか発見しにくい要素が存在しています。特に”構造体の施工状況”に関しては、施工中に検査をしなければ、見つかりにくい施工不良・不具合があるものです。

とはいえ、レアケース(確率的には、低いもの)ではありますが、過去に住宅構造に関わる重大な施工不良を発見したケースが何度か存在しているのも事実。

  • 梁材・柱材の接続不良
  • 梁材・柱材の強度不足(サイズの間違い)
  • 基礎と土台の接続不良(金具・アンカーボルト位置が不適切など)
  • 住宅全体の大きな歪み(柱の傾きなど)

などが実際に見つかったケースがあります。

補修するためには、大掛かりな工事となり、期間もかなり必要になることから、”契約解除(建売住宅)”を選択された事例も、過去に数件ありました。

「建売住宅(一戸建て)」など内覧会同行調査の具体的な「不具合事例」

  1. 建売住宅(一戸建て)の「不具合事例01」:排水管の未接続|内覧会同行
  2. 新築マンションの「不具合対処」事例01:フローリングの浮き|内覧会同行
  3. 内覧会同行(建築士)が必要とされる理由?!住宅トラブル相談事例。

建築士による「建売住宅・新築マンション」内覧会同行検査の活用!

”キズや汚れ”といった要素であれば、特別な知識・経験が無くともしっかりと確認することが出来るものですが、住宅の機能性に関する要素においては、正直、専門的な知識と経験が無いと見極められない要素も多く存在しているのが実情です。

そんな状況に対して、近年、広く浸透してきたのが、住宅インスペクション(内覧会同行検査)です。

当事務所(一級建築士の私が対応しています。)でも、マンション及び戸建て住宅の内覧会同行検査を行っております。

 

住宅診断(内覧会同行調査)の情報!

  1. 神奈川県・東京都を中心とした戸建内覧会同行検査!
  2. 新築マンション&一戸建ての内覧会時にチェックすべき項目とは?!

****

詳細内容に関しては、こちらの記事(マンション・一戸建て内覧会同行サービスの概要!)にて記していますので、ご参照いただければと思います。