注文住宅を作るときの大切な「キッチン空間」の考え方とは!?

住宅購入時の知恵情報

キッチン計画

良質な注文住宅をつくるためには、建築工事を始める前(計画段階)に、しっかりと自分たちの「考え方」を設計者に伝えることが重要なポイントとなります。

設計者にとって、最も困るのは「なんでもいい」と言われてしまうこと。

自分たちの思いを「具体的な条件」として示される方が設計しやすく、希望に沿った良質な住宅が作られるものなのです。

ここでは、住宅購入(主に注文住宅)する上で心がけておきたい「キットン空間の考え方」をご紹介いたします。

注文住宅の「キッチン」 計画とは!?

主に注文住宅の「キッチン」に関して、購入者(住宅発注者)として「何を考え」「何を検討すべき」なのかをお話してみたいと思います。

「キッチン」に限った話ではありませんが、基本的に「住宅に関する条件提示(希望)」は、計画段階(設計段階)で行うべきものです。

建築工事に着手してから、いろいろと追加の要望(変更要望も含む)をする方が少なくないのですが・・。工事着手後の「条件提示(要望)」は、あまり好ましくない結果を生みやすいもの。

●追加条件を満たすために、他の要素(機能、使い勝手など)が犠牲となる。
●費用負担が増加となる。
●施工ミスを誘発する要因となる。

主に上記のような要素に繋がりやすいのです。

特に、作り手側から見て、もったいないと思うのが「費用負担増」の問題。

単純に「手すりをひとつ設置してほしい」という追加要望程度であれば、「手すりの商品費用」のみの負担で済みますが、大抵、追加要望を満たすために、一度作り上げた部分を壊して、再び復旧するなどの「余分な手直し」が生じるものなのです。

この「余分な手直し」にかかる費用の方が高くなることも少なくありません。

注文住宅を少しでも安く作りたいのであれば、この「手直し」を少しでも無くすことがとても重要なポイントとなります。

「キッチン」に関しても、設計時に「どんなシステムキッチンを使いたいのか」を決めておくことが必要。出来れば、「具体的なキッチン商品」を決められれば最高です。

何故、設計段階で「具体的なキッチン仕様」を決めておく必要があるのか、その理由をご紹介したいと思います。

理由1: 「キッチン形状」に合わせたキッチン空間を設計する必要があるから

住宅の設計

他の居室(リビングなど)では、「部屋の広さ」が単純に魅力となることがありますが、「キッチン」に関しては、「適切な空間(広さ)」であることが大切なポイントとなります。

キッチンは、「広ければ、広い程良い」とはならないのです。それどころか逆に、「広すぎるキッチン」は使い勝手の悪い(使いにくい)キッチンとなってしまいます。

「適切なキッチン空間(広さ)」とするために、必要な要素となるのが「どんなキッチンを利用するのかを決めておく」ことなのです。

理由2:「キッチン仕様」に応じた「給排水設備計画」「換気設備計画」が必要となるから

キッチンの換気設備と給排水設備

一般の方は、どうしても「見える部分(デザイン、使い勝手など)」のみに意識が向くものですよね。まあ、それは仕方がないことなのですが。

キッチンにて、最も重要な要素となるのが「給排水設備計画」「換気設備計画」なのです。

キッチンは、「水を利用」「熱(火)を利用」「煙を発生」する場所。

ゆえに、適切に「水」を活用、そして上手に排水することが出来るような状況を作ること(給排水設備計画)がとても大切な要素となります。

同様に、発生した「熱」「煙」を適切に処理出来る状況を作ること(換気設備計画)も重要な要素となっています。

上記要素(機能)が満たされた上での「デザイン性(見栄え)」「使い勝手」なのであって、どんなにデザイン性や使い勝手が良くとも、排気設備計画・換気設備計画に不備(弱さ)があるのは、キッチンとして成り立ってはいないのです。

適切な給排水設備計画&換気設備計画を行う上で重要なのが「シンプルさ(単純な構造)」です。

●配管の曲がりが少ない(シンプル)
●設備のための空間(パイプスペース、ダクトスペースなど)がコンパクトなこと

がトラブルの少ない排水設備・換気設備を作ることに繋がります。

そのような計画を行うためには、「キッチン仕様が決まっている」ことが重要な要素となるわけです。

設計段階で決めておきたい「キッチン要素」

設計段階にて、決めておきたい条件には「3つのキッチン要素」があります。それが「キッチンタイプ」「サイズ」「キッチン形状」です。

3種類のキッチンタイプ。「独立型キッチン」「オープンキッチン」「セミオープキッチン」

キッチンタイプ

住宅設計を始める前に、条件として伝えておきたいのが「キッチンタイプ」です。

キッチンタイプには、「独立型キッチン(クローズドキッチン)」「オープンキッチン」「セミオープキッチン」の3タイプが存在しています。

「キッチンタイプ」は、「間取り」「給排水計画」「換気計画」に最も大きく影響を与える要素となるもの。必ず、設計条件として提示しておく必要がある要素です。

それぞれのタイプ別特徴(メリット、デメリット)を簡単に示すと下記のような特徴があげられます。

独立型キッチン(クローズドキッチン)

独立型キッチン(クローズドキッチン)

間取りとして、「LDK」に取り込む設計も可能ですが、基本的に「部屋」として独立した空間を有しているのが、「独立型キッチン」となります。

●メリット
・煙やにおいがリビングなどに漏れることが少なく、あまり気を使わないで済む
・キッチン内の整頓状況にあまり気を使わないで済む
・集中して調理などを行うことが出来る。

●デメリット
・ダイニングまでの「導線」が長く、配膳の効率性に欠けることも
・閉鎖的な環境と感じられる。

オープンキッチン

オープンキッチン

主に「LDK」として間取りの空間構成する時に採用するキッチンタイプとなります。LDK空間の中央に配置する「アイランド型キッチン」などが代表的なオープキッチンとなります。

●メリット
・キッチンから家族とのコミュニケーションがとりやすい
・調理と配膳が効率よく行える

●テメリット
・調理時の煙&においがリビングに漂いやすい
・複雑で高機能な「排気設備」が必要となる
・キッチン内が丸見えのため、常に清掃しておく必要がある

セミオープキッチン

セミオープキッチン

「独立型キッチン」と「オープンキッチン」のメリットを兼ね合わせているのが「セミオープンキッチン」。現在、分譲マンションにおいて、主流となっているキッチンタイプです。

多くの戸建て住宅(建売住宅)でも、セミオープンキッチンが採用されるケースが増えています。

●メリット・デメリット
・「独立型キッチン」と「オープンキッチン」のメリットを少し弱めた形で兼ね備えると共に、それぞれのデメリットを緩和した特性を有しています。

5種類のシステムキッチンデザイン

近年、大半の住宅(戸建て、マンション)で使用されているのが「システムキッチン」です。

システムキッチンには、5種類の「キッチンデザイン(形状と配置)」が存在しており、それぞれ特徴が異なるもの。

住宅プランニング(間取りの設計)に大きな影響を与える要素となりますので、設計段階で方針を固めておきたい要素となります。

 I 型システムキッチン

「I 型システムキッチン」は、現在、最も主流なシステムキッチンデザインのひとつ。「シンク」「コンロ」「作業スペース」が一直線上に並んでいるのが「I 型システムキッチン」です。

●特徴
・作業スペースを長くしすぎると、調理のための移動距離が大きくなりすぎるため、キッチン全長を抑えた計画とすることがポイントに。(幅270mm以下が目安。)
・豊富なデザイン仕様(色・柄)が揃っている。
・需要が多いことから、低価格商品も豊富で価格グレードの選択肢も広い。

II 型システムキッチン

「II 型システムキッチン」は、「コンロ」と「シンク」が二列になって配されているシステムキッチンです。

●特徴
・「I型」と比較して、調理導線が短く、効率的な作業が可能に。
・「シンク」の対面に「コンロ」を配しないような計画とすること。(危険を防ぐため)
・システムキッチンとして、少し割高傾向に。

L 型システムキッチン

「L 型システムキッチン」は、主に「オープンキッチン」に持ち入れられています。派生デザインとして「A型システムキッチン」なども存在しています。

●特徴
・「シンク」と「コンロ」がL字の各面に割り当てられているため、効率的な調理作業が可能に。(調理動線が短い)
・高価なシステムキッチンに。

コ 型システムキッチン

「コ 型システムキッチン」は、「シンク」「コンロ」「調理スペース」をコ型に配しているシステムキッチンデザインです。

キッチン空間としては、「広めのスペース」が必要となるため、効率的な間取り設計を行うのには不利となります。

●特徴
・移動距離が最も少なく、調理効率を高めたシステムキッチン。
・キッチンパーツも多くなるため高価なアイテムとなります。

アイランド型システムキッチン

「アイランド型システムキッチン」は、「オープンキッチン」にのみ採用されるシステムキッチンデザインとなります。

主に空間の中央(壁際は使用しない)に「コンロ」「シンク」「作業スペース」を配置しています。

●特徴
・「排水設備計画」「換気設備計画」共に、複雑となりやすい。
・「排気」が困難。
・複数人数で同時に調理するのに適したデザインに。(料理教室など)
・最も高価なシステムキッチンに。

まとめ

「キッチン」には、特徴・機能性が異なる様々なタイプやプランニング(配置計画)が存在しています。

ゆえに、「どんなキッチンとしたいのか?」は、設計初期段階にて、かなり具体的に決めておく必要があることをしっかりと認識しておいていただければと思います。

間取りが決まってからだと、キッチンプランを変更することは、困難となりますので。