マンションの選び方ポイント!「階」による特性の違いとは?!
同じマンション(棟)であったとしても、住戸の配置によって、特性が大きく異なる場合があることをご存じでしょうか?
特に高層マンションなどでは、「階」によって特性(生活環境、防災など)が大きくことなっているのです。
マンション購入する上で「階」による特性を理解した上で物件選びをすることはとても大切なポイント。
ここでは、”マンションの階別特性”をご紹介したいと思います。あなたのマンション選びにお役立ていただければ幸いです
目次
住宅環境の変化と多様性
近年、住宅機能は高まっています。昭和の時代の住宅環境と比較して、現在の住宅環境は大きく変化しています。
同時に「住宅環境の多様性」も増しています。以前は、「戸建て住宅とマンション(団地)」といった「2分類」で捉えることが出来た住宅環境ですが。
現在は、戸建て住宅の中でも、「二階建てと三階建て」「高断熱・高気密仕様と普通」「木造とその他構造」など様々な特性の違いが存在するようになりました。
マンション住宅環境の多様性。
マンションも同様に、「低層・中層・高層&超高層」「構造種別」「耐震性種別」などの多様性が増しています。
同じ「マンション(集合住宅)」といった住居形態であっても、住宅環境が異なると、「住まい方」「住宅環境の影響」にも違いが生じることとなります。
ここでは、現代のマンションにて、どんな住宅環境種別が存在しているのかを列記してみたいと思います。
高さ(階数)による住宅環境の違い。「低層」「中層」「高層・超高層」
マンションは、「高さ(階数)」によって、住宅環境・特性が変化します。主に、「低層」「中層」「高層・超高層」の3つに分類することが出来ます。
「高さ(階数)」による住宅環境特性に関しては、後ほど、詳しくお話したいと思います。
建物構造による住宅環境の違い。「木造」「鉄骨造」「RC造(鉄筋コンクリート造)」
「建物構造」は、マンションの住宅環境に最も大きな影響を与える要素となります。
●音環境(遮音)
●振動環境(建物の固有振動など)
●熱環境(気温)
●湿度環境
あくまでも、大まかな傾向(特性傾向)となりますが、「音環境(遮音)」が最も優れているのは「RC造(鉄筋コンクリート造)」のマンションとなり、逆に、適切な音環境をキープするのが難しいのが「鉄骨造」となります。
「振動環境」においては、「木造」「鉄骨造」が揺れに対して、しなやかに追随する特性を有するのに対して、「RC造(鉄筋コンクリート造)」のマンションでは、剛(強さ)にて対抗する特性を有しています。
「熱環境(気温)」に関して、本質的に「暑さを防ぎ、寒さを伝えにくい」のが「木造」です。ただし、一般的な戸建て住宅の場合は、「床下が外気と直接つながっている」など設計上の課題があるため、「寒さが室内に伝わりやすい」建物と認識されることが多くなっています。
しかし、素材自体(木材)で考えると「木材」は、熱を伝えにくい(暑さ・寒さを伝えにくい)特性に優れており、四季のある日本の自然環境に最適な素材となっているのです。
対して、最も熱(暑さ・寒さ)が伝わりやすいのが「RC造(鉄筋コンクリート造)」となります。
「湿度環境」において、最も優れた追随性を有しているのが「木造」です。湿度の調節(調湿)機能を木材は有しており、室内が乾燥してくると、水分を放出。逆に室内の湿度が高まると、木材が水分を吸収(吸湿)してくれます。
逆に、最も湿度環境に対する追随性が低いのが「RC造(鉄筋コンクリート造)」です。
ゆえに、RC造のマンションでは、居住者自身が積極的に室内の湿度調整をする必要があるのです。
耐震性種別による住宅環境の違い。「耐震」「免震」「制震」
「振動環境」とも関連性が深い要素となりますが「耐震性種別」も住宅環境の違いを生じさせる要素となります。
主にマンションに活用されている耐震性種別としては、「耐震」「免震」「制震」の3種類が存在しています。通常の「横揺れ地震波」に関して言えば、最も揺れを感じないのが「制震構造のマンション」となります。
ただし、「地震波」には、様々な種類(縦揺れ波、横揺れ波、低周波振動、高周波振動など)が存在しており、それぞれに対して、影響が異なることとなります。
マンションの「高さ(階数)」による住環境変化と健康への影響
マンションを「高さ」によって、分類すると「低層」「中層」「高層・超高層」の3種類に分けることが出来ます。
「低層」「中層」「高層・超高層」の種類によって、「建物構造」「耐震性種別」なども異なっていますので、必然的に住宅環境特性にも大きな違いが存在することとなります。
ただ、「建物構造」「耐震性種別」などに関わらず、「高さが異なる」ことが住宅環境の変化を生む要素となっています。一般的には、あまり意識されることの少ない要素と言えそうです。
同じタワーマンション(超高層マンション)であっても、「低層部の住居」「中層部の住居」「高層部の住居」によって、住宅環境特性が異なり、健康への影響などにも違いが存在しているのです。
正確には、「土地環境(自然環境、標高の違いなど)」の影響が加味されますので、単純に住宅環境特性を示すことは出来ないのですが、あくまでもひとつの目安として、「高さ別の住宅環境特性」を記しておきたいと思います。
低層部(1階・2階)の住宅環境特性。
低層部の住宅対象となるのが「1階・2階」の住居です。ただし、「1階」の方が「2階」よりも、低層部住居ならではの特性が色濃くなります。
ですから、主に「1階住居」を対象として、考えていただければと思います。
低層部の住宅環境特性にて、身体に影響を与える要素として取り上げておきたいのが「湿度環境」です。主に、夏季節にて、高い湿度となりやすい傾向があります。
高湿度と関連して「カビ胞子量」が多いのが特徴。上層階と比較して、カビが繁殖しやすい住宅環境となりやすいのです。
●湿度による影響
●カビによる影響
が、低層部の住居にて、注意しておきたい身体への影響要素となります。
中層部(3階~6階)の住宅環境特性。
中層部の住居(目安として、3階~6階)は、住まいとして、最も身体への悪影響が少ない住宅環境となります。他階(低層部、高層部)と比較して、「温度環境」「湿度環境」などが劣勢となることはありません。
ただ、あえて取り上げるとしたら「音環境」に課題が生じるケースがあります。
マンション周辺の「車両通行」などの外部騒音をクリアーに感知しやすいのが中層部の住宅となっています。
不思議に思うかもしれませんが、「低層部(1階)」の場合は、壁・塀・生垣などが外部音を遮蔽することから、外部騒音が削減される傾向があります。
対して、「中層部の住居」では、音を遮蔽する要素が少ないため、外部騒音(車の通行音など)が直接、住戸に伝わってくる(直接音波)ことに。
そんな直接音波(外部騒音)が「給気口」や「換気扇ダクト」から室内へと侵入。条件(音環境)が揃ってしまうと、室内にいるのにも関わらず、思いの外、外部音がクリアーに聞こえるという状況が生まれてしまうのです。
寝室にて、そのような状態が発生してしまうと
●睡眠への影響
として表れることがあります。
高層部(7階以上)の住宅環境特性。
高層部の住居(7階以上)には、身体への影響が懸念される「複数の環境特性」が存在しています。代表的な要素となるのが下記です。
●気圧(気圧が低くなりやすい)の影響
●大気汚染物質の影響(揮発性有機化合物)
●低湿度の影響
上記要素はいずれも、上層階となればなるほど傾向が高まるもの。特に「15階以上」の住戸において、顕著な住宅環境特性となります。
「気圧」に関しては、地上部と住居にて「気圧差」が存在した時に、身体への影響が生じることがあります。些細な影響であっても、日々繰り返されている内に、敏感な人の場合、体調的な不調を感じることがあるのです。
大気汚染物質とは、いわゆる「光化学スモッグ」などを対象としています。
超高層マンションの上層階となると、低層階と比較して、大気汚染物質(光化学スモッグ)に住居が覆われてしまう確率が高くなります。
そんな大気汚染物質(光化学スモッグ)が換気口などを通じて、室内に侵入。身体への影響を生じることが懸念されるのです。
「低湿度」の影響も案外、見逃すことが出来ない要素となるもの。低層部の住居と比較すると、上層部の住居は、一年を通じて、乾燥しやすい(低湿度)環境となります。
「喉への影響」「静電気の影響(静電気が帯電しやすい環境となります。)」などが身体への影響として、感じられることがあります。
まとめ
近年のマンションは高層化が進んでいます。それゆえに、同じマンションの中に存在する住戸でも、生活環境・特性に大きな違いが存在していることを意識しておくことはとても大切なことに。
●健康リスク
●災害リスク(自然災害リスク)
一度住宅購入したら、何か問題が生じたからといっても、なかなか転居することができないもの。
「外装・内装の見栄え」だけに気を取られることなく、様々な視点から物件を診断するようにしていただければと思います。
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