【台風・大雨】床下浸水の水はどこから流入したのか?
台風・大雨時に”床下浸水”してしまうことがあります。でも、基礎高さを上回るような冠水があったわけでもないのに、「何故床下浸水に?」と不思議に思うケースがあるもの。
ここでは大雨時の「床下浸水の原因」をご紹介したいと思います。
目次
床下浸水の水はどこから流入したのか?
今年は豪雨に加えて、台風の直撃による「浸水被害」が目立っています。
”床上浸水”に迫るほど、家の周りにて冠水(水かさが増す)があったわけではないのに・・何故か”床下浸水が発生してしまっている”というケースが少なくありません。
その原因の大半が
*基礎の施工不良(雑な基礎施工)
によるものです。
ゆえに、購入したばかりの新築建売住宅なのにも関わらず、”床下浸水”が生じてしまうケースも少なくないもの。
そんな床下浸水を及ぼしてしまう”施工不良”には、【3つの要素】が存在しています。
自然災害(天災)にて致し方のない浸水パターン
施工不良に関して、お話する前に、自然災害(天災)として致し方のない浸水パターンを紹介しておきたいと思います。
それが上図のように
*基礎高さを超えた冠水があった場合。(床下通気口から水が浸入)
です。
コンクリート基礎立ち上がりの高さを超える冠水が生じた場合には、基礎立ち上がり天端に設けられている「通気口」から水が浸入することとなります。
これは、もちろん施工不良などではなく、”床上浸水”同様に自然災害として致し方がないこと。
住宅外周にて、冠水高さがどの程度となっていたのかを判断。基礎高さを超える冠水があったと思われるときには、床下浸水が生じるのは、致し方がないことと判断していただければと思います。
基礎高さに達しない冠水時の水侵入パターン(施工不良)
冠水高さが”基礎高さ”に達していないのにも関わらず、床下浸水が発生してしまった場合、考えられるのは下記3つのケース(施工不良)となります。
1)基礎打ち継ぎ部からの水侵入(施工不良)
2)基礎立ち上がりの配管貫通部からの水侵入(施工不良)
3)施工時用の床下水抜き穴の対処不良(穴の塞ぎ忘れなど)
1) 基礎打ち継ぎ部からの水侵入(施工不良)
住宅基礎は、「底盤部」と「立ち上がり部」にて構成されています。
一般的な施工方法として、最初に「基礎底盤」のコンクリートを打設(施工)。しっかり乾燥した後に「基礎立ち上がり部」を打設することとなります。
ゆえに、基礎底盤と基礎立ち上がりには「打ち継ぎ部分(上図)」が存在することとなります。
ここで、施工者の技術力&丁寧さの有無(仕事へのこだわり)が機能性に大きな違いとなって表れるのですが・・。
雑な施工の場合は、打ち継ぎ部分に「コンクリートの隙間(ジャンカと呼んでいます)」が発生してしまいます。
基礎表面化から見たときは、綺麗に見えても内部にコンクリートの隙間(ジャンカ)が出来ていることが少なくありません。そんな状態の基礎の場合
*基礎打ち継ぎ部から水が浸入する
ことがあるのです。
残念ながら、「基礎打ち継ぎ部からの水の侵入」に関して法的な罰則規定などは無いんですよね。
しかし、「基礎は床下に水が浸入しないように施工する」のが作り手側として意識すべき機能性のひとつとなっています。
注文住宅を中心としているハウスメーカー・工務店などでは、打ち継ぎ部からの水侵入を防ぐために「止水板」といったものを基礎内部に埋め込むような工夫を行っているところもあります。
”建売住宅”の場合は、残念ながら「販売効率化」「利益」が優先にて、雑な基礎施工となっているケースが少なくありません。
そんな事業者(住宅販売者・施工者)ほど
*床下への水の侵入は仕方がないこと(ありえること)です。
などと平気で語ってしまうんですよね。
作り手としてのプライドが無い・・・建売住宅では、このような事業者に一定確率で出逢ってしまうことがリスクと言えます。
●基礎打ち継ぎ部から施工不良による水の侵入。床下浸水(低冠水時)の一番の原因となっています。
2)各種配管の基礎貫通部からの水侵入(止水対策不良)
基礎(底盤・立ち上がり部)には、様々な設備配管(排水管など)が貫通しています。
この設備配管の貫通部にて、適切な「止水・防水対策(コーキング処理など)」を行わなければいけないのですが、その止水処理が不十分(雑な施工)だった場合
*配管貫通部から水が床下へ浸入
してしまいます。
住宅周辺の冠水が収まった時に、基礎の配管貫通部周りの浸水跡が残っているようなら、貫通部からの水流入があった可能性大と考えられます。
3) 施工時用の床下水抜き穴の対処不良(穴の塞ぎ忘れなど)
基礎工事中、雨が降った時に基礎上にたまった雨水を排水するための「水抜き穴」が作られます。
”水抜き穴”は、あくまでも工事用の仮設要素。基礎工事が終わった後に、「水抜き穴を塞ぐ」対処が行われます。
この「水抜き穴をふさぐ対処」が不十分(施工不良)もしくは、対応忘れ(施工ミス)があった場合、”水抜き穴”を通じて、雨水が浸入することがあります。
”水抜き穴”は、「基礎立ち上がり下部」に設けられることもあれば、「基礎底盤部」に設けられることがあります。
床下浸水したエリアに”水抜き穴”が存在していないかどうかを確認。残存しているようなら、「水抜き穴を塞ぐ」対処(補修)をしていただければと思います。
床下浸水後の対処
”床下浸水”が確認されたら、早々にまずは「床下の水を抜く」ことが必須の対応となります。
浸水量が多いようなら
*「排水ポンプ」の使用
が必要に。浸水量が少ないようなら、「大量の雑巾」や「吸水材」などを使用して、地道に水を拭き取ることとなります。
ちなみに、業者に依頼するのではなく、自分自身で排水作業を行う時には、こちらのコンクリートの浮水吸水材(吸水ウレタン)を購入して、対処することとなります。
床下の水がなくなったら
*床下の換気を行う(湿度を下げる)
ことが必要に。床下浸水した場合、そのまま湿度の高い状態が続いてしまうと、床下の「木材(土台・下地材んど)」にカビが繁殖。木材が傷み、住宅の劣化が進んでしまいます。
雨水侵入経路の修繕
「床下水の排出」「床下の換気」を行うのと同時に心がけておきたいのが
*雨水侵入経路の修繕
です。
一度、床下浸水が生じた場合、そのままにしておくと、それ以降、ちょっとした雨量でも浸水しやすくなるもの。(浸水ルートが出来上がってしまうため)
雨水が浸水しないように補修工事が必要となります。
この時、一般的な”リフォーム業者”ではなく、「基礎工事」「コンクリート工事」に対応している業者を選んで、補修工事を依頼することに。
「雨水侵入の補修工事(基礎工事)」は業者によって、わりと価格差がありますので、業者選びをするときに
*複数業者から概算見積もりを取って、見積もり比較をすること
がとても大切なこととなります。
自分で「雨水侵入の補修工事(基礎工事)」に対応している業者を見つけるのも正直なかなか 難しいもの。
そこで、こちらの【リショップナビ】など第三者のコンシェルジュが間に入って、施工業者選び&見積もり依頼の手助けをしてくれるサービスを活用するのがおすすめです。
・床下浸水があったこと。
・床下の水の排水をお願いしたいこと。
・床下浸水の原因を調査してほしいこと。
・床下浸水の原因に対して、必要な「補修工事」をしてほしいこと。
を見積もり依頼をするときの「条件」として記載しておけば、有効な複数業者から「見積もり」を入手することができます。
その後は「価格比較」をした上で、依頼したい業者を決めたら、連絡を取って、少しでも早くに現地調査に来てもらえるように調整していただければと思います。
●床下浸水の「調査」「補修工事」に関する一括見積もり依頼なら【リショップナビ】
「火災保険」で修繕が賄える可能性があることをご存じですか!?
戸建て住宅を所有している方の多くが「火災保険」に加入済みかと思われます。
実は「床下浸水」など大雨時のちょっとした被害に対しても、適切に申請手続きを行うことで補修費用が十分に賄えるほどの火災保険金を受け取ることが出来るのです。
※火災保険金の受け取り方などの詳細情報はこちら(火災保険申請ドットコム)をご参照ください
因みに「火災保険」においては保険金を受給しても支払う保険料が上がるということは一切ないのです。多くの方が火災保険をほとんど活用しておらず大損している状況なのです。
思い当たる方は、ぜひご検討してみることをおすすめいたします。